引越し業者はライバル社の数が非常に多く、しかも価格競争も熾烈なものになっています。
低料金で高品質のサービスを行っているという中で、果たして引越し業者というのは正直なところ儲かっているのでしょうか?
引越しの現場でスタッフに課される仕事は非常に重労働で、スタッフの給与に対して割に合わないというスタッフもいれば満足しているというスタッフも。
そのスタッフの給与にも関わってくるのが引越し料金で得られる利益ですが、一回の引越しでどれくらいの利益を得ることができるのでしょうか。
まず、引越し業者が行う引越しには、単身者向けの引越し・ファミリー向けの引越し、そしてオフィスの事務所移転など伴う大規模な引越しです。
その中で利益がより得られる引越しというのは、大規模な事務所移転などの引越しと実は単身者向けの引越しなんです。
ファミリー向けの引越しというのは、ほとんどが一日がかりの引越し作業になります。
そのぶんトラックも引越しスタッフもつきっきりになるため、一日にいくつもの作業を掛け持ちすることができません。
逆に、単身者向けの引越しではどうでしょうか。
単身者向けの引越しで、よりお得な料金で利用できる単身者向けパックというものがありますよね。
これは、複数の単身者家財をひとつのトラックにまとめて運搬するというもので、そのためトラックにかかる費用を抑えることができるというわけなんです。
家財量も比較的少ないことが多いため、一日に数件の引越しを行うことができるのでファミリー向け引越し一件と比べても効率良く利益を上げられるのです。
また、大規模な事務所移転などの引越しでは、やはりそれなりの基本料金となるために利益も高いと言えます。
気になる利益ですが、たとえば4トントラック一台を使用したファミリー向けの引越しを、費用は10万円で想定してみましょう。
4トントラックに搭乗できる人数は3人。ですから引越しに関わるスタッフは3人としましょう。
ファミリー向けの引越しのほとんどは一日がかりの作業となるため、スタッフひとりあたりの人件費は約1万3千円程度と計算。
そこに、トラックが高速を利用するかどうかでまた費用もかわりますし、ガソリン代も必要となります。
そして事務所・業者の運営費、段ボール代などの雑費を概算してみると、人件費以外でかかるのは約1万円少々。
3人分の人件費3万9千円と合わせると、利益は約5万円になりますね。
もちろん、引越し業者によってはこれ以上に費用がかかることもありますし、人件費などがもっと少ない場合もあります。
そして引越しを行う日が平日であるか・土日であるかによっても金額は大きく変わるので、また利益率が上がることも。
ただ、見積もり時に初めに提示された金額から大幅な値下げを行った場合は注意が必要なこともあります。
たとえば、ベテランスタッフがおらず、人件費を削ってアルバイトのスタッフばかりという場合も。
家財の運搬の仕方や養生の丁寧さによって、家財や新居に傷を残してしまうこともあるかもしれません。
大切な家財を守るためにも、疑いのある金額には注意が必要です。